
2010年05月18日
カテゴリ:ボスの部屋
横山宏章
ボスの横山です。
前回書き込みを行ったのが3月3日のひな祭りでした。すでに2カ月以上たってしまいました、いかがお過ごしでしたか?
私はこのところ友人に頼まれた難しい物件の構造計算と性能評価や長期優良住宅、それに絡む補助金申請や、省エネルギーを目的とした経済産業省管轄のENDOの住宅向け高効率エネルギーシステム導入に係る補助金申請書類の作成にあけるれていました。
その間に時がどんどん過ぎてしまいすみません。前回は龍馬伝の1シーンについて2回ほど投稿してきました。今回も先日みたシーンでの事を書きます。
勝海舟が開いたかつ塾は日本に強い海軍を作るために開かれ、多くの門下生が集まって日々学んでいたところ、そのほとんどが外国と戦争をするために参加していることに気付いた龍馬は、外国と戦争をしない抑止力となるために強い海軍を作ろうとしている勝海舟の思いと違うことに悩み勝海舟に相談に行きます。
その時、海舟は
「ほっとけ」
と諭します。
人はどれだけ話して聞かせたところで、思い込んだことは中々変えられない。
「人は肌で感じて変わっていく」
含蓄のある言葉ですね、この言葉を聞いた時も鳥肌が立ちました。人はどれだけ言葉を尽くしても体験してもらわないと理解してもらえないものなのかもしれません。昨年度長期優良住宅を建てることでもらえる補助金がやっと国から降りてきました。これをお施主様にお返し出来て初めて長期優良住宅にしてよかったと実感してもらえるのかもしれません。こうした実感が広がり長期優良住宅の認定が世の中にどんどん広がっていくと良いなあ~と本気で考えています。また龍馬伝で何か感じたことがあったら書き込みますね。
2010年03月03日
カテゴリ:ボスの部屋
横山宏章
ボスの横山です。
先週の龍馬伝で、また新たな学びをもらいました。このところ経営で悩んでいたことがこの1シーンで、ふっきれました。獄中に捉えられている岩崎弥太郎が、ある囚人に20両で買ったものを200両で売ったら盗人だと言われて投獄されたと聞き「それは詐欺や」とその囚人に言います。「おなかが満腹なものに饅頭を売ろうとしても一文でも買わないが、おなかを減らした者には10文でもほしい、わしは腹の減っているものに饅頭を10文で売っただけだ」という場面です。
これこそが商売の真髄なのですね、饅頭をほしくない人にどれだけ饅頭を売ろうとしても売れない簡単な理屈です。おなかが減っている人に10文ではなく5文で売ることができれば感謝されますね、「それでいいのだ」。私は、今までと同じような餡子が入った4文の饅頭をほしい人に、少し高くつくけどカロリー抑えめの健康的な餡子を入れた饅頭を5文で買ってほしいと思い悩んでいました。このシーンで答えが出せました。今までどおりの餡子を入れた4文饅頭を作るか、ダイエットや糖尿病を気にして大好きな饅頭を食べられないのでカロリー抑えめの饅頭をほしいと思っている人を探しに行くかどちらかしかありませんね。4文の饅頭はいつでも作れます。しかし、カロリー控えめの饅頭がほしい人を探すには大きな努力が要ります。この日本のように糖尿病患者が急増している状況ならば、カロリー控えめの饅頭がほしい人を探しに行く方が私は使命を果たしているのでは?と思います。
あれ?私は何屋だったけ?私は工務店をやっているのでした解り難い書き込みですみません。
2010年03月03日
カテゴリ:ボスの部屋
横山宏章
ボスの横山です。
このところはまっているのが、大河ドラマの龍馬伝です。坂本龍馬とその史実に詳しい方々は、脚色が多くてつまらないといわれます。
確かに、それを期待しているとつまらないかもしれないですね。しかし、私はここ数回のこのドラマを見て学ぶところが多くて大好きなドラマです。
1つは、吉田松陰が渡米をしようとする時、龍馬が連れて行って欲しいとすがる場面です。いきなり松陰先生は龍馬を殴り「君は何のためにこの世に居る」と言います。その場面を見て流石だなと思いました。松陰先生は一瞬で龍馬の資質の高さを見抜き、そしてここで死ぬ人間ではないし、松陰先生と違い今の龍馬ではここで死んでも世の中に何の影響も与えられないと感じ取ったのでしょうね。私はそう解釈しました。そして、龍馬の父親が「命を使い果たさなければならない」というのを見て「使命」というもの大切さを再認識させてもらいました。
振り返って「自分の使命とは何ぞや」と考えると、私には「これが使命」だというものをしっかりとあります。もうすぐ50歳を迎える中で、全然使命を果たせていません、前途多難です。平均年齢からしてものこり30年弱しか残された時間はありません。でも命を使い果たして頑張って見ようかなと龍馬伝を見て考えることができました。私の確信している使命については機会があればまた今度書き込みますね。
2010年01月31日
カテゴリ:ボスの部屋
横山宏章
ボスの横山です。
今日は先日の続きで、
驚愕2.岐阜県で12月に建築確認申請が出されたうちの27%が長期優良住宅だったことについてです。
少し前の10月のデータを以前耳にした時には23%でした。もうすでに4件に1件は長期優良住宅の時代になったのだと実感させられましたが、僅か2カ月の間に3件に1件が長期優良住宅になりつつあるのです。これは素晴らしい実績です。国土交通省の方たちの頑張りに敬意を表します。
ただ、そのうち地元工務店の割合は何パーセントだったと思いますか?たったの2%です。つまり地域密着で「地域の皆様に本当にいい物を建てていますよ」と言っている私たち工務店が全体の着工件数の僅か0.46%しか長期優良住宅の認定を受けていないのです。言っていることとやっていることが違いすぎませんか?
私は正直言ってこのことが非常に残念で仕方がありません。本気になってやろうとすれば出来ないことではないのです。なぜなら私が手掛けている住宅は、昔ながらの木造建築で土壁づくり、外も中も柱を表わしで、断熱性能を上げることが非常に難しい工法を行っているにもかかわらず長期優良住宅の認定基準をクリアすることに成功しています。実際色々なセミナーに参加して多くの種類の断熱メーカーさんに私たちの工法でも次世代省エネルギー基準をクリアする方法はないかと聞いてもまず「無理でしょう」という返答しか返ってきません。しかし、私たちはあきらめず出来る方法を考え続けてきました。そしてやっとその答えが見つかり次世代省エネルギー基準をクリアした性能評価を得ることができたのです。
長期優良住宅の住まいづくりは、私たちが社会貢献でる一番有効な取り組みなのです。「良い物をきちんと作って長く大切に使う」、住宅もそういう時代になってきました。そしてこの取り組みが、夏涼しく冬温かく快適に住んでいただきながらCO2削減にも貢献できるのです。地元工務店はなぜそれに取り組もうとししないのでしょうか?
すでに3件に1件は長期優良住宅となりつつあるこのときに、本気で自分たちの家づくりを省みて進歩させないと時代から取り残されてしまいます。そうならないために、私たちが率先してお客様に長期優良住宅をお勧めする会社となれるように努力すべきです。本気でやらないと、私たちが手掛ける伝統工法の住宅は、後世に残していけません。伝統工法は数百年という厳しい時間の波に洗われてなお受け継がれてきた良さがあるのです。その時間経過とともに伝統工法もすこしづつ変化してきたはず。ですから生き残ってこれたのです、これはすべて先人の方たちの努力の結晶です。その努力の上に私たちがあぐらをかいて何もしなかったら、それは先人の方たちの努力を食いつぶしているだけにすぎません。今こそ私たちは本気になって、土塗り壁の伝統工法を残していく努力をすべき時期にきているのだと思います。
2010年01月29日
カテゴリ:ボスの部屋
横山宏章
ボスの横山です。もう明けましても言えない時期になってしまいました。先日ある木材問屋さんが開いてくれました長期優良住宅のセミナーを聞いて来て愕然としました。その内容とは
愕然1.本年度の着工件は、80万戸を割ることがほぼ確実となったということと、この80万戸に達しない着工件数は今をさかのぼること40住年以上前になってしまうということです。
愕然2.私たち岐阜県の中で、12月の1カ月で提出された建築確認申請物件の中で長期優良住宅の占める割合が27%に達したということです。
愕然1.に関しては本当に厳しい現実に放り込まれているのだとつくづく実感させられました。私たちの会社が今期で34期を迎えますが、会社の歴史の中でもないような建築不況が今の私たちを襲っているのです。これに関しては、会社も色々な対策を講じていかなければなりません。私たちは住まいの安心をお届けすることが使命だと感じて日々頑張って来ているつもりです。その中で、安心とはなんぞや、ということを3つの段階で分けて考えてみました。
まずは着工前の安心・・・これはご予算にあった金額で求められる内容や性能をお届け出来ることだと思います。その一つの取り組みが、住宅の性能評価の中の設計性能評価であり長期優良住宅の認定だと考えています。そして今国からの補助金を活用させてもらい少しでもご予算に合わせる事が使命を果たすことと考えています。
工事中の安心・・・これに関しては、まず品質の担保だと思います。そこで私たちは建築性能評価を受けていきます。建築性能評価証は国が認可した性能評価機関からの、設計性能評価を受けた図書または設計図通り現場で施工されているかの検査を受け、図面通りの施工をされたかの写真や納品書を確認するjことで出される証明書です。これで品質の担保ができます。そしてもう一つの安心が完成保証です。この厳しい情勢下ではあり得る話ですが、建築途中に建築会社が倒産したらどうなるでしょうか?建築中の建物はまだ会社の所有物ですから工事はストップし、今まで支払った金額が水の泡と消えてしまいます。そこで私たちは、それにも備えて㈶住宅保証機構の完成保証制度への登録申請を出していました。それがこのたび登録が認められました。これから着工する物件には完成保証をかけていくことで、より安心をご提供してく体制が整いました。
御引き渡し後tの安心・・・これも決しておろそかにしてはならない安心です。口では「当社はメンテナンスしますよ」とどの会社も言うでしょう。しかし具体的な対策を聞くと5年ごとの点検を行っていますと言う程度ものもです。私たちは、外部のマイクロソフトOutlookのサービスプロバイダーと契約を結び、その予定表機能を利用して会社設立当社からのすべてのお客様の5年ごとの60年間の無償点スケジュールデータを入力を完了させました。そのデータをもとに会社全体で管理体制を組み、事務管理課から点検期日のお知らせと点検時期のご希望日をお尋ねするはがきをお送りし、そのご希望日に施工管理担当者が定期点検に伺うシステムを構築し、すでに運用して2年が過ぎようとしています。またここ5年以内の御引き渡しのお客様から建築当時の図面や建築確認済証や検査済証など出来る限りのデータをホームページ上で管理してお客様に専用のIDとパスワードをお渡しすることで、いつでも閲覧できる体制を整えてきました。その他、4か月ごとに御引き渡しのお客様先を訪問してお困りの点がないかの確認も営業担当者が行っており、些細な不具合にも迅速に対応できるように努めているところです。
話が長くなりそうなので愕然2.については後日また投稿します。
2009年11月26日
カテゴリ:ボスの部屋
横山宏章
ボスの横山です。
今回は、ご案内があります。このたび、私たちが加盟していますJBNの先導的モデル事業が国から補助金対象に採択されました。それに伴い今まで三恵住宅の地元である各務原市で行ってきた家づくりセミナーを、私たちが25年以上にわたりずっと住まいづくりのお手伝いをさせていただいています稲沢市にて、そのご恩返しにと、今求められている住宅づくりと、それに伴う200万円(先導的モデル事業)または100万円(普及事業)の補助を受け、税金関係も優遇されるための家造りセミナーを開催いたします。
この1年、3Dデザイン事務所(私が代表を務める設計事務所)を率いて8件の住宅の性能表示を行い。そのうち4件を先導的モデル事業で200万円の補助を、他1件を普及事業で100万円の補助を受ける家づくりに取り組んできた実績をもとに、具体的にどうすれば、長期優良住宅の認定が受けられ補助金を活用してひとクラス上の家づくりができるかを一緒に考えるセミナーです。
このセミナーは、一方的な情報の発信で終わらせてしまうのではなく、それは前半で終わらせて後半を座談会形式の中で、ご質問を受けながら一生に一度の大きな買い物をより満足していくための住まいづくりを一緒に考えて行くものにしたいと思っています。ですから、余り多くのご参加をいただいてもお一人お一人ご質問をお受けすることもままなりませんので、今回はご参加を10組ほどと思っています。
土壁づくりの伝統的な工法で建てても、土壁の調湿作用を活かしつつこの寒い時期にほとんど暖房器具を必要としない隙間風のない温かな住まいの作り方もお教えします。
ご参加ご希望の方は、下記連絡先まで一報ください。
日時:11月29日(日) 13時30分~15時30分
場所:稲沢市朝府町5番1号
稲沢市勤労福祉会館(当日は館内にご案内の看板が立っています)
担当:横山 宏章・飯沼沙代
電話番号:058-384-1637
FAX[番号:058-384-8474
2009年10月29日
カテゴリ:ボスの部屋
横山宏章
ボスの横山です。
願えば道は開かれる。昨日はその果実を手にした気持ちでいっぱいです。なぜなら、私は昨日CASBEEの評価員となるための養成講義を受けてきたからです。
以前私は、ある性能表示の取り組みに関するセミナーを受けた時、これから注目されるものにCASBEE評価というものがある聞きました。全く知らなかったので恥ずかしいことなのかもしれませんが、私にとってはこの時こそチャンスなので恥を忍んでききました。しかし、具体的な事は分らず、インターネットで調べてみました。そうしたらCASBEEの評価をするには評価員の評価とIBEC((財)建築環境・省エネルギー機構の認証がいる)とのことが書かれていました。その時からぜひCASBEEの評価員になりたいとずっと思ってきたのです。
私は、すぐに会社でCASBEEの評価員になりたいと宣言しましたが、どうしていいのか分からず1年が過ぎてしまいました。ところがそんなある日、JBN(全国工務店ネットワーク)からの1通のFAXが届き、そこには、「評価員になるための養成認定講習がある」とのお知らせが手に届いたのです。
私はすぐさまなんのためらいもなく申し込みをしました。昨日の講習で、私の中は、良いものがいっぱい詰まった満足感でいっぱいです。それについて少し書きこみますね。
そこで、この題名です「CASBEE?」、ご存じない方は何のことかさっぱり分かりませんよね、私自身も1年前までは同じくさっぱりわかりませんでした。中には、さっしがついている方もいらっしゃるかもしれませんが、ある言葉のの略語です。
Comprehensive・・・総合的な
Assessment・・・評価
System・・・・制度
for
Building・・・建築物
Environmental・・・環境の
Efficiency・・・効率
の頭文字をとったものです。日本語にすると、建築物総合環境性能評価システムが正式名称だそうです。
このところただでさえ、色々な数値、たとえばQ値・μ値・C値といった単位からはじまり、
建築基準法の改正・・・確認申請の厳格化
建築士法の改正・・・構造設計1級建築士・設備設計1級建築士資格の創設・不正行為の厳罰化
性能評価制度・・・国の基準による10項目の住宅の性能の格付け
長期優良住宅認定制度・・・3世代居住可能な高品質住宅の普及施策
長期優良住宅先導的モデル事業・・・長期優良住宅を先導するビジネスモデルへの補助金制度
瑕疵担保履行法・・・10年間の瑕疵保証の資金面での補完政策
といったここ数年だけでもいろいろな課題が出てきて目が回りそうです。我々はこういったことの対応はすでに完了していますので、今後注目をされるものとして、4号建物特例の廃止、完成保証制度と、このCASBEE評価だと思っています。
そのCASBEE評価のための取り組みに私達はすでに取りかかっていこうとしています。この評価方法で高い評価を得ることは、地球温暖化を抑える取り組みを、住宅の住まい手が、大きな我慢をしないで貢献していけることの証でも有ります。
CASBEEとは、住宅の品質をその住宅ができるまでの資材の生産段階から解体に至るまでの間にどれだけの環境への負荷(言いかえれば悪さをするか)で割ったものを数値化したものなので、バランスが重要です。
たとへば、断熱性能は窓を小さくすれば性能値を上げることができますが、彩光や通風といった事に悪影響が出ます。その結果、品質を上げても環境が悪くなり、分子も分母も大きくなるので評価は上がらない仕組みになっています。
ここ一年住宅の性能評価に取り組んできて、表記だけの性能値もいくつかあり、それがもったいないと感じていた部分をしっかり補完してくれるものがCASBEEだという事が今回の講習でよく分かりました。来月の11月24日の資格試験に合格してぜひこの評価システムに取り組んでいきたいと決意を新たにできた1日でした。
2009年10月26日
カテゴリ:ボスの部屋
横山宏章
ボスの横山です。
今回は、私が購読しています雑誌「日経アーキテクチュア 2009 10-12 号」の中に興味深い記事が載っていましたのでこれについて書きこんでみたいと思います。記事についてはここをクリックしてください。新しいウィンドウが開きご覧になれます。なかなか専門的な語彙が多く分かりづらいので 注 ) で分かりやすくしましたのでこれを参考に見てください。
注1)層間変形角・・・ここをクリックしてください、図解がでてきます。
注2)kN・・・力の単位 1t=9.8kN 130kN=13.26 t
注3)弾性変形域・・・壁に有る程度まで力を加えると変形しますが力を取り除いたとき元に戻ります、力をより強くかけていくと元に戻らなくなり変形が残ります。弾性域とは、形が元に戻るまでの範囲です。構造計算ではこれを基に安全性を確認します。
注4)初期剛性・・・弾性変形域内での変形のし難さ、または硬さ。ばねで例えるなら伸びやすさ伸びにくさのようなもの。
初期剛性が高い=ちょっとやそっとの力で変形しない。
初期剛性が低い=ちょっとした力で変形してしまう。
注5)層間変形角1/120・・・木造の構造計算では、弾性域の限界を層間変形角1/120と決めています。変形の長さは=300÷120で2.5㎝これ以上の変形は許されません。
以上を踏まえて記事の内容を考察すると、伝統工法の木組みは、今までそれ自体の耐震性は認められず、建築基準法上、家を建てるには筋交いや合板を壁に打ち付けることで強度を確保するしか方法がありませんでした。しかし、この記事では今後は、建築基準法が改正されて、伝統工法の木組み自体に耐震性を認めていこうと言う試みがなされています。
そして、伝統工法は地震や台風の時に力がかかるとすぐに変形してしまいしますが、非常に粘り強い構造のため、どんどん力を加え続けても倒壊することなく力に耐え続ける特性がある。
ただ、あまりにも直ぐに変形してしまうので、ちょっとした地震でも大きな損傷を引き起こしてしまうので、実際の建物では、サッシが割れ、壁にひびが入り、建具が動かなくなります。そうなっては大きな問題ですから、まずはちょっとした地震でも変形しないような手立てが必要という内容です。
その手立てを考えた時、コンクリートのように非常に硬い壁で補強をしたとします。コンクリートは変形しにくくても、比較的少ない変形状況で突然に破壊が起きますで、伝統工法の木組みのような粘り強さという特性は活かせません。
一方、三恵住宅の開発した壁で補強すると、実験結果から、ちょっとした力ではほとんど変形せず、どんどん力を加えていっても下の写真のように耐え続け、

層間変形角1/15という驚異な変形状態でも粘り強さを発揮するので、伝統工法の木組みの特性を生かした補強ができるのです。
2009年10月10日
カテゴリ:ボスの部屋
横山宏章
ボスの横山です。
このところ、私の書き込みに土塗り壁という単語がよく出てきます。実際この土塗り壁工法とはどんなものかご存知ですか?「あまり見かけないのでよく分からない」という方のために、この土塗り壁工法についてお話ししてみようと思います。
土塗り壁工法とは、柱と柱の間に土を塗りつけるために左の写真のように、竹を使って縦・横に編みます、これを竹小舞を組むと言います。そのあとに、右写真のように藁を練り込んだ土を塗って壁を作っていく工法を言います。

下の写真が土塗り壁の完了写真です。

では、なぜこのような作業効率が悪く、乾燥する間余分に工期もかかる工法が長い間受け継がれてきたのでしょうか?それをこれから考えてみます。
まず
1.家全体を弾力性のある壁で覆い、地震や台風の時に倒壊しにくい家にする。
これは、竹で壁下地を組むことで竹の弾力性が活かされ大きな地震の時に大きく変形したとしても倒壊をまぬがれる働きはあると思います。また、耐力壁として地震など自然災害に建物の変形を抑える働きがあります。
2.土がもつ調湿作用で住宅を長持ちさせる。
土は、周囲の湿度が高い時に水分を吸収し、周りが乾燥している時に水分を吐き出す調湿作用があります。住宅の性能表示の、断熱性能の最高等級4を取得するとき、室内と外の温度差が大きくなるため壁内の結露対策が必要となってきます。それを怠ると壁内に結露が発生し、その結露が家を腐らせてしまいます。
ですから吸湿性の高いグラスウールやセルロースファイバー・ロックウールなど繊維系の断熱材を使用する時は、室内の湿気が壁に侵入し結露が起きないように部屋内側にビニールシートを張り巡らすといった防湿層を設けなければなりません。
しかし、調湿作用がある土塗り壁の場合は、外壁側に断熱材を設ける場合は室内から侵入した湿気を調湿してくれるため、この防湿層を設けなくても良いと定めたれています。私はこの1年間で7件の性能評価を受けてきましたが、この制度はこういった伝統工法にもきちんと検証し配慮されており、本当によく出来ている制度だと感服されられました。
3.土壁自体の断熱性能
土壁は温まり難く冷めにくい性質(熱容量が高い)性質があります。これをうまく利用した建築物に火災が起きた時に家財を守る土蔵があります。昔しから土壁の家は夏過ごしやすいといわれてきました。しかしながら、冬は隙間風があり底冷えするいうことを耳にします。そこで、構造に乾燥した木材を使うことで変形をなくし、下の写真のように最新の高性能な断熱材を土壁の外側に入れ気密テープで隙間をなくします。

またこれによって、壁内部の結露を抑え、熱容量の高い土壁の外側に断熱層を設けることで、より夏場の暑さしのぎ、紫外線カットの低放射複層ガラスをはめ込んだ断熱性能では最高レベルのアルミと樹脂の複合サッシを使うこにより、熱損失係数(家全体の熱の逃げる量を床面積で割った数値)が2.7W/㎡Kを下回る断熱計画をすることで、性能評価の最高レベルの冬も暖かな住まいづくりができます。
こうやって、書き上げていくと良いことばかりのように見えますが、デメリットも理解した上で土壁造りを検討すべきです。デメリットとしては
1.余分な工程が含まれているために、コストアップになる。
竹を組み土を塗る作業に手間暇がかかり、その分建築費がかさんできます。
2.工期が延びる。
手間暇をかける分、時間がかかり土がある程度乾くまでも時間がかかります。
3.一番気をつけたいのが土塗り壁の重量です。
重量が重いということは、地震の時、非常に危険です。建築基準法施工令84条では、構造計算をする時の基準となる重量が、一般の木造の場合は150N/㎡としているのに対して、小舞壁(土塗り壁)の場合は、830N/㎡と定められています。土塗り壁は一般的な土壁を使わない壁の5.5倍の重量があることになります。
地震の時はこの重量に地面が動く速度を掛けた力が働きます。これは昔、物理の時間で力=重量×速度という公式を習った事を思い出しますね。例えば、軽いソフトボールを壁に当てても、壁は壊れませんが、大体同じ大きさの重量の重いハンマー投げのボールをソフトボールと同じ速度で壁に当てた時その壁は壊れてしまうでしょう。そこからイメージして、重量の重い土塗り壁にはどれほど大きな力が架かるかを想像してみてください。
しかし、一般に木造の構造設計で行われてういる壁量計算では、建築基準法施工令46条で定められているように、土蔵等の壁が重い家は軽い家に比べて1階については1.14倍、2階については1.4倍の壁量の増量しかしか必要とされていません。壁の重量が5.5倍もなるので大丈夫かを思えてきますね。
一方、私たちが行っている許容応力度計算法では、壁の面積に施工令84条で決められた壁の重量を掛けて地震時の力を割り出して安全を確認します。このときどちらが安心できるか一目瞭然ですね。
住まいは、そこに住む方の生命と財産を守るという使命を持っています。ですから、私たちはどれだけ安全側に立って設計するかが大事だと考えています。
2009年10月05日
カテゴリ:ボスの部屋
横山宏章
ボスの横山です。
先々回、私たちが取り組んでいる許容応力度計算法が2008年に改定され木造軸組みの新たな幕開けか?と書きました。確かにその通りですが、一つ大きな誤算がありました。それは2階の壁・床の重量や耐力壁(地震や台風の時にかかる力を支える壁)に働く力を支える梁の強度の低減です。梁は時として横から同じような梁が架かったり、柱が上に乗る場合が多々あり、その接合のために図のように断面を削り取ります。

そうなると、実際は一番強さを必要とされる接合部分が非常に弱くなってしまいます。そこで今回の改定で、実情に合わせた強度の低減が定められました。それを基に耐震等級3を目指して計算すると、想像以上に梁がたわんだり、せん断破壊が起きてしまうという結果が出るときがあります。特に耐震等級2と違い等級3を目指したときは顕著な結果がでます。
耐震等級3では、耐力壁の数が少ない設計プランの場合、一つ一つの壁の強さを高めることが求められます。その分下で支える梁の負担が増えて考えられないような大きな断面の梁が必要となってきます。
では昔の先人たちはそれをどう克服していたのでしょうか?その答えが梁材に丸太を使うということなのです。丸太は長方形の断面の一般的な梁と違い、横幅が大きいため欠損による低減が少なく。幅150ミリ×470ミリの断面のが必要という計算結果が出てもそれを直径300ミリの丸太に変更して計算するとOKが出るのです。この事を経験することで、やはり昔の人達の知恵は素晴らしいなとつくづく実感させられました。
ただ、ここにおいて丸太梁を使用する面で、大きな問題点が一つ出てきます。それは今まで乾燥した丸太材が市場に出回ってこなかったことです。木材は水分を多く含んでいると同じ材料でも乾燥状態よりかなり強度が落ちます。ですから、私たちは、乾燥材が普及している長方形の断面の梁を使うしかないと考えてきましたが、近年、地産地消が注目され材木の世界でも、国産材に目が向くようになって、何と大断面の松の乾燥材の丸太が入手可能になってきたのです。これでやっと耐震等級3を目指した在来の土壁の家づくりがな出来るようになりました。
今はつくづく、昔の先人たちの知恵に感謝です。一方それと同じように先人たちの知恵がいっぱい詰まったものに、土壁造りの住宅があります。やはりそこには私たちが考えてもいない様なよさが含まれている違いありません。だからこそ、数百年の間、この土壁工法が受け継がれて来たのでしょう。ですから、ぜひこの土壁造りの工法を今後とも後世に残していきたいと切に願っています。下の写真は今回、乾燥材の国産の松の丸太を使って私たちが住宅を建てている状況の写真です、見るからに頑丈そうですね。

2009年09月23日
カテゴリ:ボスの部屋
横山宏章
ボスの横山です。
この度、三恵住宅では、在来木造の土塗り壁住宅で、耐震等級3を獲得するめどがつきました。住宅の性能表示に詳しい方は「それがどうした?」と思われる方もいらっしゃると思います。確かに性能表示で一般的に行われている構造計算方法(壁量計算+耐力壁の配置バランス+床倍率のチェック+N値計算による接合部のチェック)という方法では比較的簡単に耐震等級3(震度6強~7で住宅が受ける力の1.5倍の力がかかっても倒壊しない、そして震度5強の地震の1.5倍の力が加わっても損傷しない)という性能値を確保できます。
しかし、かっこの中の文章をよく見てください。ここには、震度6強~7の震度の時、損傷しないということは触れられていません。
そうなるためには、住宅にかかる震度5強の力の1.5倍の力が震度7に働く力より上まわっていれば大丈夫でしょう。
そうでなければ、耐震等級3の性能値の住宅は、震度6強~7の地震に見舞われたとき、倒壊はしませんが、重大な損傷がでる可能性が残ります。その後、もし大きな余震がこの建物を襲った時はどうなるのでしょうか?
私は、岐阜県の被災建築物応急危険度判定士という資格を持っていますが、地震によって大きな被害が出ると、2次災害を避けるために私たちが現地に行って、建物の危険度を判定する作業を行います。その時危険という判断を下されますと、多くのケースは行政より取り壊し命令がでます。そうなればせっかく多大な資金を費やして人生をかけて建てた住宅の資産価値が“ゼロ”になってしまいます。下手をすると借金だけが残るということになりかねません。
事実私は、能登半島地震のあとに、外観が遠目にはしっかりして見える立派な住宅に危険という赤紙が貼られた建物を何件か目にしました。
ここに一つ興味深いデータがあります。それは、地震の規模の大きさを表すマグニチュード(以降Mとします)という数値です。震源地から同じ距離にある同じ場所ではMが高ければ震度も確実に上がります。そしてMが1つ違うと、そのエネルギーの規模は31倍違います。
つまり、M6とM7では規模が31倍、M6とM8では31倍×31倍=約1000倍違うのです。その違いを考えた時、震度5の1.5倍の力がが震度7の力を超えているのかとても心配です。
ただ、勘違いしていただきたくないのは、この性能評価方法が間違っているということを言いたいわけではないです。もっと重大な事は、一般的に性能表示をされているマンション等を除く戸建住宅が、僅か10%程度しかなく、いわんや等級3を確保して建てられている住宅がいかに少ないかという事です。これが今の一番の問題点であり、その問題解決のために、どのようなやり方であれ、決められたルールにのっとり、まず住宅の性能表示を行うことが最重要課題だと思っています。
ただ、私たちが取り組んでいる構造計算方法は、そこを一歩進めたものです。それは許容応力度計算法とう方法で震度6強~7の時に部材一つ一つにそして接合部一つ一つをチェックすることで倒壊しないことを確認し、それに加えて層間変形角の確認も行います。この層間変形角とは各階(1階・2階それぞれ)の地震時の変形量を割り出しそれが規定値(壁の高さの1/120以下、具体的には2.4㎝以下)となるように確認をするのです。これにより甚大な損傷が起きない確認をしているのです。
ここに実例を挙げてみます。壁量計算の場合は建築基基準法46条で壁の種類が決められていますので、それに沿って耐震補強をし、床の剛性に関しても、最高の倍率(床の強さ)の仕様を使うことで、壁量計算等を行い耐震等級3をだしてみました。しかし、許容応力度計算を行いますと、びっくりするくらいNGが出てしまいます。また、変形角も120分の1以下どころか、最大で66分の1、変形量4.38㎝となり、これは危険度判定ではBランクになります。そのうえ、基礎部分んもNGが出ますので、それを総合的に判断すると、結構厳しい結果と言えます。
私たちは、その結果を踏まえて、その一つ一つのNGを消す気の遠くなるような補強作業をしてい行きます。なぜなら、弱い部分だけを強くしてもバランスを欠くと思わぬところで新たなNGが出てしまうからです。その綱渡のような補強作業を行い全てのNGを消すことが、今回出来たのです。
住まいは、そこに住まう方の財産であると同時に社会の資産と考える時期に来ました、そういう意味でも、ちゃんとした住宅づくりをしていきたいですね。
下に、構造計算の結果のリンクを張っています。興味のある方は一度ご覧になってみてください。そしてご質問のある方はいつでもお気軽にお問い合わせください。
壁量計算等で耐震等級3を出した結果です。
http://www.sankei-ltd.com/boss/kaberyoukeisan.pdf
この状態で、許容応力度計算法のソフトを走らせた結果です。
この中で青い文字の部分が全てNGで構造計算では決して出してはならない結果です。
http://www.sankei-ltd.com/boss/shokityekku(1).pdf
その時の層間変形角(それぞれの階の変形量)です。
http://www.sankei-ltd.com/boss/soukanhenkeikaku(1).pdf
この状況から補強をかけ、すべてのNGを消した物が次のものです。
http://www.sankei-ltd.com/boss/shokityekku(2).pdf
その時の層間変形角(それぞれの階の変形量)です。
http://www.sankei-ltd.com/boss/soukanhenkeikaku(2).pdf
この数値は、震度6強~7の地震時に掛る水平力の1.5倍の力が住宅に働いた時の建物の変形量を表しています。
最後に、この構造計算全ての結果です。482ページにわたるものです。
2009年09月13日
カテゴリ:ボスの部屋
横山宏章
私が書きこみをしますと、いつもこういった難しい内容が多そうですが、興味のある方は、お付き合いください。
私たちは、工務店とともに設計事務所も開設しています。そこで構造計算から、確認申請書類の作成、性能表示申請図書の作成や、長期優良住宅の認定申請に至るまでにいろいろな業務を行っています。
現在は、私の他に、白木・桜井・加藤という資格者が業務にあったています。この設計業務中で、最近大きな変化が起きました。それは、我々が行っている許容応力度計算の指針が大きく変わりました。これは画期的な変化で、この変化によって、木造軸組みの許容応力度計算結果が大きく変わります。今まで、構造計算を行ってきますと耐震等級3を確保は至難の業でした。
その理由として大きなものが2つありました。その一つが梁材の接合部の低減です。材木を接合するとき、仕口という方法で木材を加工しますがその時、木を削るので強度が落ちます。それを構造計算上は一律で低減させられてきました。その結果、等級3の場合は基準法の1.5倍となりその余裕度と、低減率そして土塗り壁の面積当たりの荷重の重さから取得は非常に難しいところがありました。
もう一つは、基礎の設計にあたり、壁の脚部にかかる引き抜き及び押さえの力が大きすぎて基礎にとんでもない鉄筋量を求められてきたからです。
普通に一般で行われている壁量の計算や水平構面の検討、接合部のN値j計算による計算方法では一切出てこないこの部分の検討を加えると、今までOKだった部分が一変にNGの結果が出てきます。ですから許容応力度計算法では、耐震等級の3の獲得は至難の技だったのです。
しかし、今回の指針の改定で、接合部分は面積の割合で低弦数を設定できるようになったようです。大断面の木材を使えばそれだけ有利になると思います。
また基礎についても、構造用合板を用いて耐力壁を設けた場合は、強度が高くその分基礎の設計が厳しくなっていましたが、壁の回転の中心(反曲点高批)の設定ができるようになり基礎への負担が実情に合った形となり計算が有利となりそうです。
これらの改定により、きちんと計算をし補強をかけていけば耐震等級3の取得が詳細な許容応力度計算を行っても可能性が広がりました。
私はこういった事はなんでもいい方に良い方に考える方なので、きちんと真面目にやってこればそれを必ず見ていて応えてくれるように世の中は出来ているんだと思っています。
今回の改定はその表れではないでしょうか、私としては非常に勇気づけられるかいていでした。
2009年09月03日
カテゴリ:ボスの部屋
横山宏章
お久しぶりです、ボスの横山です。
またしても書きこみが空いてしまっていました。今回のテーマは「懲りもせず今回も」です。それは、今回も長期優良住宅先導的モデル事業に提案申請書を出したからです。今まで3回の公募が有りました。私たちも第2回目に応募しましたが採択されませんでした。新築部門での採択率7%の狭き門なのです、それを今回も懲りずに再度の挑戦です。ですから「懲りずに今回も」がタイトルなのです。。
具体的にこの先導的モデル事業が何かというと、
「少なくとも3世代住み続けられる家づくりと、維持管理のシステム作りに向けた業界を導くモデルケースを公募し、これを国が採択して、そのためにかかった建築費用の増額分の一部(上限200万円)までを国が補助する。」
というものです。国から出る補助金の中では破格なものでその意義の大きさを表しています。詳しくは公募の評価機関である独立行政法人建築研究所のホームページ(http://www.kenken.go.jp/chouki/index.html)をご覧ください。
そのうえ、今回は長期優良住宅の普及の促進に関する法律が6月4日に施行され、採択基準が明確になって初めての公募で、耐震性・耐久性・メンテナンス性・断熱性の4項目の採択基準が決定し、より一層狭き門となりました。だからこそ挑戦する価値があります。
私達の提案は、「土塗り壁の長期優良住宅化」です。確かに、今多くの土壁造りの住宅がありますが、これらのほとんどが今の長期優良住宅の認定基準からすると不適格な建物になってしまい、国が求める住宅のあり方に沿っていくこと、つまり、土塗り壁の伝統工法の長期優良住宅化こそがこの伝統工法を継承していける唯一の道だと考えています。
私は以前、住宅の性能評価について10年かかってやっと性能評価を受けられるようになったと書きました。今回のこの先導的モデルはその延長線上にあるものなのでこれまでと同様にあきらめずにやり続けたいと思っています。ではなぜ、これほどまでにこだわり続けてきたかを少し書きます。
私にはこのこだわりに対して常に背中を押してくれている2つの言葉があります。
ひとつは雑誌で目にした阪神大震災で住宅の倒壊で家族を亡くした方の「住宅が私達の家族の命を奪った凶器になった事を忘れない欲しい。」という言葉です。この言葉が心に焼き付いてそれで住宅の耐震化に取り掛かりました。それがちょうど10数年前だったのです。
そしてもう一つが、私が建設省(今の国土交通省)が開いた公聴会に出席した折、当時の住宅生産課の課長の、「この法律は、色々なところから圧力もある障害が多く成立に向けて大変だが、私はこの法律は火だるまになってでも成立させる」と言われた一言です。まさにTBSのドラマで放映されている「官僚たちの夏」を彷彿させる一言で今でも心に焼き付いています。
当時の私は、耐震性の高い住宅づくりを目指して自社で耐力壁を開発し、評価機関で耐力試験を受けているとときでした。その時、評価機関の責任者の方から「現行の建築基準法では認められないものだからこの試験をしても意味がない。」と言われ、その試験成績書には公的な意味をなさない「自社の技術資料とする」というものでしたでした。
そんな中、住宅の品質確保促進に関する法律について、建設省のホームページの意見公募(パブリックコメント)に意見を出したところ、公聴会に出席しないかという事になり、東京まで出かけて意見を言わせてもらいました。その後、建築基準法が改正され、仕様規定(決められたものしか認めない}という内容から性能規定(性能が実証されていれば認めていく)というように変わり、翌年再度、受けた耐力試験では「構造計算の技術資料とする」という公的に構造計算として使えるという試験成績書になりました。これで私達の開発した耐力壁を建築の現場に使っていける道筋が立ちました。
それ以来、私は公聴会開催当時の住宅生産課の課長の気持ちに応えるためにもぜひ性能表示をしていきたいと取り組み続けてきたのです。
そこで、なぜ土塗り壁工法にこだわるかというと、その工法が長年やり続けられてきた年月の長さです。以前、奥尻島の津波災害の折、昔からアイヌの人たちは、そのあたりにけ決して集落を設けなかったという話をきいたことがあります。これは先祖代々から「このあたりには昔、津波がきた」という知恵が受け継がれてきたからなのでしょう。今の私たちは各家族化して、年長者から先人たちの知恵を聞けなくなってきています。こういう時だからこそ、住宅づくりだけでも先人たちの知恵に耳を傾けた住まいづくりをしていくべきだと考えています、それが土塗り壁工法なのです。土塗り壁には少なくても数百年の歴史があり、そこには私たちが知る知識をはるかに越える先人たちの知恵の集積があるからです。
しかし、これまでの土塗り壁のままでは、いま国が求める長期優良住宅にはなりません。今後この長期優良住宅が市民権を得て、それ自体が家づくりの中で当然とされるようになるのは間近だと感じています。そうしたとき、土塗り壁工法は建築業界から取り残されてしまいます。だからと言って、法律が悪いなどど文句をいったり諦めて何もしないことは筋違いだと私は思います。この長期優良住宅の普及の促進に関する法律は素晴らしい法律です。だからこそ、自分たちで工夫することでこの法律の趣旨にあった家づくりができるように私たちも変革していく必要があると思います。それを今回のモデル事業として提案しました。また結果が出たらお知らせしますね。
2009年08月10日
カテゴリ:ボスの部屋
横山宏章
このところご無沙汰しています、ボスの横山です。
なぜこんなに投稿が空いてしまったと言い訳しますと、このところ毎週の土曜日・日曜日と3週間立て続けに完成見学会をしていてブログへの投稿が忘却の彼方に?
やっと一段落し久しぶりに書きこんでいます。7月25日・26日に展示会を行ったお住まいは、我が社で初めて性能評価を受け、長期優良住宅基準をらくらくクリアーした、記念すべき第1棟めです。あと2つのお住まいは、パナソニックさんと技術提携をして長期優良住宅先導的モデル事業という国家プロジェクトに参画し国から補助金をおろしてもらう住宅です。どちらも施工には苦労しました。次回は9月5日6日に各務原市各務東町にて、展示会を行います。この建てものも住宅の性能評価を受けて、省エネルギー対策(断熱)等級の最高等級4を受け独立行政法人NEDOの補助金を受ける建物です。このところ補助金に関係した建物ばかりで書類上も施工上も本当に苦労しています。しかし、やりがいはあります。なぜなら国から良い建物だというお墨付きがもらえるからです。
これからはじめて住宅取得をお考えの方にとっては、今回の選挙ではどの政党のマニフェストでも国の手厚い補助が少子化対策に向けられ子育てにお金がかからなくなりローン返済も楽になります。また、経済対策でも住宅建築に向け、国からいろいろな補助金が出てローン金利も底といわれるくらい低いい今この時こそ、住宅取得のチャンスです。
今、国からひいては社会から求められている、「いいものを作って長く快適に住まう」という住宅はどんなものなのかご覧になりに来ませんか。9月の展示会は、ホームページのインフォーメーションにてお知らせしたいますのでご来場をお待ちしています。
2009年07月19日
カテゴリ:ボスの部屋
横山宏章
先日、茅ケ崎で三恵住宅独自で開発した耐力壁の強度試験を受けた結果速報がでました。試験結果の精度を上げるため、3体の実験を行い、そのばらつきを考慮した結果です。前回は、土台部分に固い栗を使用したので1階部分にしか使えません。そこで今回は2階以上の壁にも使えるように土台部分に松を使いました。その結果、前回の強度は壁倍率7.3(壁の上端が2.5㎝傾くまで変形させるために必要な力は約1.46トン)という結果でした。今回は6.9(2.5㎝傾くまで変形させるに必要な力は約1.38トン)でした。
土台の材料を変えた分、かなり強度が下がるかと思いきやほとんど遜色のない結果が出てホットしています。これは、通常の筋かい1本分の壁の強度の4.5倍あり、今後はこの高い強度の壁に安全率を見て25%強度を低減させて5倍で構造計算を行い。十分に強度の余裕を持たせ地震に強い家にし、いま注目されている長期優良住宅に適合した家づくりを行っていきたいと思っています。
今回ハウスプラス住宅保証さんの導きもありここまでこれました。それに恥じない良い家づくりを行っていきたいと思っています。その結果速報を載せますので、興味のある方は下のアドレスをクリックして見てみてください。また分からないところがありましたらご質問ください。分かる範囲でお答えします。
http://www.sankei-ltd.com/boss/sokuhou.pdf
試験状況のビデをご覧になりたい方は下記のアドレスをクリックしてください。
2009年07月15日
カテゴリ:ボスの部屋
横山宏章
このところ建築性能評価で、右往左往していると書きこみました。その一つとして、今回は性能評価機関のハウスプラス住宅保証さんの勧めで、10年前に住宅木材技術センターさんで行った試験結果が断熱性能を上げるためや、有る種の材料の相違などがあり運用面で不具合が出てきたために、再試験をすることになりました。場所は、
茅ケ崎にある電源開発株式会社技術センター

結果はまた後日ご報告しますが、終局(壊れるまで変形させる実験)で、20㎝の傾きの変形をさせても壊れない結果がでました。非常に粘りのある耐力壁だという実感を持てた良い機会となりました。
2009年07月11日
カテゴリ:横山宏章
横山宏章
お久しぶりです!三恵住宅のボス横山です。
阪神大震災が発生し、重い瓦屋根と土壁造りの本格木造住宅は地震に弱く、冬隙間だらけで寒い家という評価を時々耳にすることがあり、本格木造住宅を誇りを持って手掛けてきた私にとって身を切られるような思いでした。
そんな中で、今からちょうど10年前、住宅の品質確保促進に関する法律が平成11年6月23日に公布され、全国一律の基準による住宅の格付けをする制度が始まりました。その画期的な取り組みに心を震わされぜひ当社の住宅を性能表示していきたいと考えてきました。しかし、わが社で開発した地震に耐える壁(耐力壁)が認められなかったり、土壁と断熱材との取り合いが上手くいかず次世代省エネ基準をクリアすることができなかったりとで知らず知らずのうちに10年の歳月が流れてしまいました。
そうした中で、あるお客様からの「三恵住宅は性能表示をしないの?」との問い掛けに萎えかけていた性能表示への情熱に火が付き、今まで取り組み解決してきた課題を性能表示に照準を絞り体系化し、昨年の年末に自社の設計スタッフのみの力で記念すべき設計性能評価の第1棟目をを受けました(性能評価申請用の設計図書を外部の設計に委託して申請書を作成してもらっていることが一般的です)。
ある程度長期優良住宅の認定基準の案が出ていましたので、それをクリアした形で、性能評価機関のハウスプラス住宅保証に評価してもらいそれ以来設計性能評価も7棟目を数え、今着工している全ての住宅に設計性能評価を受けています。
ここで、学んだことは、人間あきらめたらあかん!ということです。あきらめずやり続けていればいつか必ず報われます。それを今は実感しながら次の課題に取り組んでいます。
なぜなら性能評価には、設計に対する設計性能評価、と設計図通り建築できたかという建築性能評価があります。その建築性能評価を受けるために苦労しているのです。記念すべき第1棟目担当の検査員の方が非常に厳しく、今まで瑕疵保険の検査ですんなり通っていたことが通らず、自信を持って受けたにもかかわらず、検査のたびに指摘を受け、是正したり再計算して性能値を再確認したりと、とにかくこの1件で非常に多くの苦労をしノウハウを積むことができました。これこそがわが社独自の誰にも真似のできないノウハウの蓄積ができたと実感できています。その後いろいろな現場で様々な検査員に担当していただきましたがその検査官の方が一番厳しかったですが、今はそれすらも感謝しています。
私たち三恵住宅にとってまさに一杯の思いの詰まった住宅が稲沢で完成いたします。この住宅をぜひ皆さんに見ていただきたいです。近々完成見学会をさせていただきインフォーメーションでお知らせいたしますのでぜひご覧になってみてください。
2008年09月14日
カテゴリ:ボスの部屋
横山宏章
お久しぶりです。このところ私たちの住宅建築業界がひっくり返るほど変革しつつあるので、その対応でなかなか投稿できませんでした。これから住宅の業界に 身をおく私たちはこの変革に本気で取り組んでいかないと生残れません。何故なら、この業界は、人口減少に伴い少なく見積もっても住宅の着工件数は30%ダ ウンします。つまり30%は、建築会社が要らないということになるのです。しかし、これを分析するともっと厳しい現実が見えてきます。住宅の着工数のシェ アーは大方、30%が大手ハウスメーカー・30%が年間数十棟~1,000棟といった物件をこなす地域のパワービルダー・残りの30%が地元の工務店と いったところです。そうしたとき大手やパワービルダーはこの変革に対応するだけの準備は既に着々と進めています。私たち工務店が本気になって対応していか ないと、要らない30%全てが私たち地域工務店が担ってしまうことになりかねません。しかし、南北に長い日本列島では全国どこでも画一的な住宅造りは本来 のあるべき姿ではありません。やはり地域に根ざした私たち工務店が頑張って、地域の気候風土に合った住宅作りをして行くべきと思っています。前置きはこれ くらいにして、このところの変革について詳しく投稿させていただきます。いつもどおり堅い話なので、興味のある方が読んでみてください。
2008年08月22日
カテゴリ:ボスの部屋
横山宏章
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