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ボスの部屋

2009年09月23日

カテゴリ:ボスの部屋

 

いよいよ耐震等級3の住まいづくり始動!

横山宏章

ボスの横山です。

この度、三恵住宅では、在来木造の土塗り壁住宅で、耐震等級3を獲得するめどがつきました。住宅の性能表示に詳しい方は「それがどうした?」と思われる方もいらっしゃると思います。確かに性能表示で一般的に行われている構造計算方法(壁量計算+耐力壁の配置バランス+床倍率のチェック+N値計算による接合部のチェック)という方法では比較的簡単に耐震等級3(震度6強~7で住宅が受ける力の1.5倍の力がかかっても倒壊しない、そして震度5強の地震の1.5倍の力が加わっても損傷しない)という性能値を確保できます。

しかし、かっこの中の文章をよく見てください。ここには、震度6強~7の震度の時、損傷しないということは触れられていません。

そうなるためには、住宅にかかる震度5強の力の1.5倍の力が震度7に働く力より上まわっていれば大丈夫でしょう。

そうでなければ、耐震等級3の性能値の住宅は、震度6強~7の地震に見舞われたとき、倒壊はしませんが、重大な損傷がでる可能性が残ります。その後、もし大きな余震がこの建物を襲った時はどうなるのでしょうか?

私は、岐阜県の被災建築物応急危険度判定士という資格を持っていますが、地震によって大きな被害が出ると、2次災害を避けるために私たちが現地に行って、建物の危険度を判定する作業を行います。その時危険という判断を下されますと、多くのケースは行政より取り壊し命令がでます。そうなればせっかく多大な資金を費やして人生をかけて建てた住宅の資産価値が“ゼロ”になってしまいます。下手をすると借金だけが残ということになりかねません。

事実私は、能登半島地震のあとに、外観が遠目にはしっかりして見える立派な住宅に危険という赤紙が貼られた建物を何件か目にしました。

ここに一つ興味深いデータがあります。それは、地震の規模の大きさを表すマグニチュード(以降Mとします)という数値です。震源地から同じ距離にある同じ場所ではMが高ければ震度も確実に上がります。そしてMが1つ違うと、そのエネルギーの規模は31倍違います。

つまり、M6とM7では規模が31倍、M6とM8では31倍×31倍=約1000倍違うのです。その違いを考えた時、震度5の1.5倍の力がが震度7の力を超えているのかとても心配です。

ただ、勘違いしていただきたくないのは、この性能評価方法が間違っているということを言いたいわけではないです。もっと重大な事は、一般的に性能表示をされているマンション等を除く戸建住宅が、僅か10%程度しかなく、いわんや等級3を確保して建てられている住宅がいかに少ないかという事です。これが今の一番の問題点であり、その問題解決のために、どのようなやり方であれ、決められたルールにのっとり、まず住宅の性能表示を行うことが最重要課題だと思っています。

ただ、私たちが取り組んでいる構造計算方法は、そこを一歩進めたものです。それは許容応力度計算法とう方法で震度6強~7の時に部材一つ一つにそして接合部一つ一つをチェックすることで倒壊しないことを確認し、それに加えて層間変形角の確認も行います。この層間変形角とは各階(1階・2階それぞれ)の地震時の変形量を割り出しそれが規定値(壁の高さの1/120以下、具体的には2.4㎝以下)となるように確認をするのです。これにより甚大な損傷が起きない確認をしているのです。

ここに実例を挙げてみます。壁量計算の場合は建築基基準法46条で壁の種類が決められていますので、それに沿って耐震補強をし、床の剛性に関しても、最高の倍率(床の強さ)の仕様を使うことで、壁量計算等を行い耐震等級3をだしてみました。しかし、許容応力度計算を行いますと、びっくりするくらいNGが出てしまいます。また、変形角も120分の1以下どころか、最大で66分の1、変形量4.38㎝となり、これは危険度判定ではBランクになります。そのうえ、基礎部分んもNGが出ますので、それを総合的に判断すると、結構厳しい結果と言えます。

私たちは、その結果を踏まえて、その一つ一つのNGを消す気の遠くなるような補強作業をしてい行きます。なぜなら、弱い部分だけを強くしてもバランスを欠くと思わぬところで新たなNGが出てしまうからです。その綱渡のような補強作業を行い全てのNGを消すことが、今回出来たのです。

住まいは、そこに住まう方の財産であると同時に社会の資産と考える時期に来ました、そういう意味でも、ちゃんとした住宅づくりをしていきたいですね。

下に、構造計算の結果のリンクを張っています。興味のある方は一度ご覧になってみてください。そしてご質問のある方はいつでもお気軽にお問い合わせください。

 

 

壁量計算等で耐震等級3を出した結果です。

http://www.sankei-ltd.com/boss/kaberyoukeisan.pdf

 

この状態で、許容応力度計算法のソフトを走らせた結果です。

この中で青い文字の部分が全てNGで構造計算では決して出してはならない結果です。

http://www.sankei-ltd.com/boss/shokityekku(1).pdf

 

その時の層間変形角(それぞれの階の変形量)です。

http://www.sankei-ltd.com/boss/soukanhenkeikaku(1).pdf 

 

この状況から補強をかけ、すべてのNGを消した物が次のものです。

http://www.sankei-ltd.com/boss/shokityekku(2).pdf

 

その時の層間変形角(それぞれの階の変形量)です。

http://www.sankei-ltd.com/boss/soukanhenkeikaku(2).pdf

この数値は、震度6強~7の地震時に掛る水平力の1.5倍の力が住宅に働いた時の建物の変形量を表しています。

 

最後に、この構造計算全ての結果です。482ページにわたるものです。

http://www.sankei-ltd.com/boss/kouzoukeisansho.pdf


 

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