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2009年10月05日
カテゴリ:ボスの部屋
横山宏章
ボスの横山です。
先々回、私たちが取り組んでいる許容応力度計算法が2008年に改定され木造軸組みの新たな幕開けか?と書きました。確かにその通りですが、一つ大きな誤算がありました。それは2階の壁・床の重量や耐力壁(地震や台風の時にかかる力を支える壁)に働く力を支える梁の強度の低減です。梁は時として横から同じような梁が架かったり、柱が上に乗る場合が多々あり、その接合のために図のように断面を削り取ります。

そうなると、実際は一番強さを必要とされる接合部分が非常に弱くなってしまいます。そこで今回の改定で、実情に合わせた強度の低減が定められました。それを基に耐震等級3を目指して計算すると、想像以上に梁がたわんだり、せん断破壊が起きてしまうという結果が出るときがあります。特に耐震等級2と違い等級3を目指したときは顕著な結果がでます。
耐震等級3では、耐力壁の数が少ない設計プランの場合、一つ一つの壁の強さを高めることが求められます。その分下で支える梁の負担が増えて考えられないような大きな断面の梁が必要となってきます。
では昔の先人たちはそれをどう克服していたのでしょうか?その答えが梁材に丸太を使うということなのです。丸太は長方形の断面の一般的な梁と違い、横幅が大きいため欠損による低減が少なく。幅150ミリ×470ミリの断面のが必要という計算結果が出てもそれを直径300ミリの丸太に変更して計算するとOKが出るのです。この事を経験することで、やはり昔の人達の知恵は素晴らしいなとつくづく実感させられました。
ただ、ここにおいて丸太梁を使用する面で、大きな問題点が一つ出てきます。それは今まで乾燥した丸太材が市場に出回ってこなかったことです。木材は水分を多く含んでいると同じ材料でも乾燥状態よりかなり強度が落ちます。ですから、私たちは、乾燥材が普及している長方形の断面の梁を使うしかないと考えてきましたが、近年、地産地消が注目され材木の世界でも、国産材に目が向くようになって、何と大断面の松の乾燥材の丸太が入手可能になってきたのです。これでやっと耐震等級3を目指した在来の土壁の家づくりがな出来るようになりました。
今はつくづく、昔の先人たちの知恵に感謝です。一方それと同じように先人たちの知恵がいっぱい詰まったものに、土壁造りの住宅があります。やはりそこには私たちが考えてもいない様なよさが含まれている違いありません。だからこそ、数百年の間、この土壁工法が受け継がれて来たのでしょう。ですから、ぜひこの土壁造りの工法を今後とも後世に残していきたいと切に願っています。下の写真は今回、乾燥材の国産の松の丸太を使って私たちが住宅を建てている状況の写真です、見るからに頑丈そうですね。

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